目がうつろで、完全な“病人”の顔にみえた
君は8月24日、安倍晋三首相が検査のため慶應義塾大学病院に到着したときの、顔を見たか?
私が見た写真は朝日新聞(朝日新聞デジタル10時11分=山本裕之撮影)だが、目がうつろで、完全な“病人”の顔である。
17日に突然、慶應に「検査のための半日検診」したときも驚かされたが、それからわずか1週間。
首相周辺は朝日に「医師から1週間後にまた来るよう言われており、受診は前回の続き」と話しているが、検査の結果を聞くだけなら、医師に官邸へ来てもらえばいい。これまでにも何度か、密かに医師を官邸に引き入れ、緊急で診てもらったことがあったと報じられているのだから。
一刻の猶予もならない。安倍の容体は、われわれが考えている以上に深刻だということであろう。
きっかけは1本の週刊誌記事だった
一部のメディアが、「安倍首相が持病の大腸性潰瘍炎が悪化したため9月に辞任する」と報じたが、現実のものになろうとしている。
この流れができたきっかけは、8月4日に発売された写真週刊誌の1本の記事だった。週刊誌が発売されてわずか3週間足らずで、安倍首相はレイムダックどころではなく、辞任やむなしか、というところまで追い込まれてしまったのである。
かつて週刊誌というメディアに長くいた私は、週刊誌の1本の記事が、それまでの流れを変えてしまう“現場”を何度か見てきた。
失礼を顧みずにいわせてもらえば、FLASH(8月18・25日号)の当該の記事を読んだときは、それらに比べると情報の裏付けも弱く、噂の域を出ないように思えた。だが、発売後の永田町の動きは急だった。私のように多少メディア論を齧ったものにとっては、極めて興味深い事例である。
私なりの推論を交えて、この情報がどのような意図をもってFLASHにリークされ、その後の動きにどうつながったのかを考えてみたい。