不確定な発言をする専門家を起用し続けている

「羽鳥慎一モーニングショー」(テレビ朝日系、以下、モーニングショー)などに出て、“コロナの女王”といわれる岡田晴恵白鷗大学教授の評判がすこぶる悪い。

週刊現代(8/8・15号)によれば、5月19日のモーニングショーで彼女はこう発言したという。

「コロナウイルスは高温多湿と紫外線が大嫌いですから、(暑くなって来れば=筆者注)下火になって来ると思う」

ひところ週刊誌が、こういう説を流していた。山形大学医学部附属病院検査部・感染制御部の森兼啓太部長が、コロナは屋外ではなく、飲食店や家庭内で感染が広がっているので、湿度が上がっても下火になることはない。紫外線でコロナが不活性化するという研究はあるが、そのレベルの紫外線を浴びれば、人間には大きな害となってしまうと批判している。

岡田氏は以前、アビガンが効くようなので、医療従事者に持たせろと、安倍晋三首相のようなことをいっていたが、結局有効性は確認できず、承認されなかった。

テレビカメラでの撮影風景
写真=iStock.com/flyingv43
※写真はイメージです

週刊新潮(8/13・20号)では、やはり羽鳥の番組で7月13日、「医療現場も、あと2週間したら大混乱になる可能性もありますよ」と発言したが、2週間後、「病床数の逼迫や医療関係者の負担は指摘されても、それを“大混乱”とまでは言えるのか」(厚労省担当記者)

たしかに、感染者は増え続け、小池都知事は緊急事態宣言を今にも出したいと金切り声を上げているが、感染症の専門家というからには、占い師のようなことをいって、視聴者により一層の不安を植え付けるのは、いかがなものか。

「恐れを広げた専門家に怒りが湧きます」

週刊文春(8/13・20号)でも、1998年頃、宮沢孝幸東京大大学院農学生命科学研究科助手(当時=現京都大准教授)が、エイズのメカニズムを研究し、HIV-1の中にあるNefというたんぱく質がリンパ球を殺すという先行研究があったので、再現しようと試みたがうまくいかなかったと話している。