だが、別の意外な可能性もあるのではないか。リークをした人間は、安倍の体調を本気で心配し、一刻でも早く慶應病院に検査入院できる「環境」作りをしたかったのではないかと、私は推測している。
「放り投げた」悪夢を払拭するためだった?
安倍首相は、弱味を見せることが何よりも嫌いなタイプらしいから、体調は悪いが、今病院へ入れば、持病悪化、第1次と同じように政権を放り投げるのかとメディアに騒がれるに違いないと、躊躇していたはずだ。
だが、安倍の容体は日に日に悪くなっていく。
何とか病院へ行かせるためには、諸刃の剣ではあるが、体調悪化情報を流して、世論を見ながら安倍に決断させるしかない。そう考えたのではないか。その思惑通り、体調不安説が永田町を駆け巡り、安倍も意を決して、無事(?)検査に行くことができたのである。
この原稿を書いている間にも、「安倍首相辞任」の速報が流れるのではないかと、5分とおかずにネットニュースを見ている。
近く必ず来る政権の終焉をどのようにするのか、病院のベッドで、自宅の寝室で、安倍首相が思いを巡らせていることは間違いあるまい。残された時間は少ない。
「政権長きが故に貴からず」、そんな言葉が浮かんだ。(文中敬称略)