安倍を見捨てた「安倍応援団」
「悪夢」とまで呼んだ民主党政権からの奪還を達成してから7年半、安倍晋三総理がいよいよ岐路に立っている。アベノミクスで雇用や経済を回復し、外交や防衛面で存在感を発揮してきたものの、自民党総裁任期の満了が約1年後に迫る中で支持率が急落しているためだ。
新型コロナウイルスの「第1波」を乗り越え、態勢立て直しを図るべき局面に入っているが、この間に政権を支えてきた「応援団」の多くは手のひらを返すように離れ、次期衆議院選挙や「ポスト安倍」を見据えて動き出している。政界の裏切りと非情さを感じながら安倍総理の脳裏に浮かぶのは「退陣」か、それとも「衆議院解散・総選挙」かの2枚のカードだ。これまで拙稿は「伝家の宝刀」である解散カードを行使し、国の新しいカタチを問うよう求めてきたが、はたして安倍総理はいかなるカードを選択するのだろうか。
6月初め、ひそかにセットされた政権幹部たちのスケジュールに自民党衆議院議員の1人は動揺を隠せなかった。「いよいよか」。その日程とは、すきま風が吹いてきた安倍総理と菅義偉官房長官との6月19日の会食を指す。