ガチギレする北朝鮮に文在寅が困惑

「遠くない時期に、使い物にならない北南共同連絡所が形骸なく崩れる、悲惨な光景を見ることになるだろう」

北朝鮮・金正恩の妹である金与正のこの宣告は、単なる脅しではなかった。6月16日、北朝鮮が開城にある南北連絡事務所を「予告通り」爆破した。金与正は6月13日、韓国側から北朝鮮側に飛ばす「北朝鮮体制批判ビラ」に対して怒りをあらわにしていた。

韓国国旗ハイディテール
写真=iStock.com/Selman Keles
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「悪意に満ちた行為が『個人の自由』『表現の自由』という美名の下に放置されるなら、南朝鮮(韓国)当局は遠からず最悪の局面まで見込まなければならない」
「南朝鮮の連中と決別する時が来たようだ」
「次の対敵行動の行使権は軍総参謀部に委譲する」
「裏切者たちとゴミどもの罪の行動を絶対に許してはならない」

敵を罵る際の北朝鮮の舌鋒と言えばいつもこうした調子ではあるが、2020年3月、金正恩に「コロナ対策で協力しますよ」との親書を送ったトランプ大統領に対して、金与正が「良い判断であり、正しい行動だ」などと述べていたのとは雲泥の差だ。「米中対話を取り持ったのは韓国・文在寅だ」という自負が韓国当局にもあるはずだが、そうした思いをも打ち砕くような“塩対応”である。