オンライン診療はなぜ日本で遅れているのか

2020年4月13日から初診患者のオンライン(遠隔)診療が解禁された。新型コロナウイルス感染症が拡大する中、感染拡大を予防し、医療崩壊を防ぐための特別措置として、感染が収束するまでに限定して、初診患者へのオンライン診療が公的医療保険の対象になったのだ。

2020年4月13日から、これまで認められていなかったオンラインによる初診が解禁された。
2020年4月13日から、これまで認められていなかったオンラインによる初診が解禁された。(読売新聞/アフロ=写真)

オンライン診療とは、パソコンやスマートフォン、タブレット端末などの画像通話機能を活用して診療するシステムのことだ。診療予約から実際の診断、決済までネット上で完結するので、患者は病院に出向く必要は一切ない。当然、院内感染のリスクもない。

オンライン診療はアメリカやカナダなど国土が広く、医師や医療機関へのアクセスが困難な患者が発生しやすい国で早くから発達してきた。電子政府化を進めて今や電子カルテの普及率が100%に達しているフィンランドなども、オンライン診療の先進国といえる。

日本では離島や僻地でのオンライン診療から始まって、段階的に条件が緩められてきたものの、なかなか広がってこなかった。既得権を脅かされることを嫌う医師会の圧力もあるのだが、最大の理由は医師法の壁である。