ストレス解消になるからといって、何をやってもいいわけではない。アンガーマネジメントに詳しい戸田久実氏は、「スポーツなど健康的な方法で発散するのがいい。飲酒、やけ食い、買い物は怒りを自分に向けている行為。自傷行為と同じで、やめたほうがいい」という――。

※本稿は、戸田久実『アンガーマネジメント』(日本経済新聞出版社)の一部を再編集したものです。

落ち込んでいる男は自宅でハードリカーを飲む
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真面目な人はメンタルヘルス不調になりやすい

イライラを感じると、自分に対して怒りをぶつける人もいます。どういった場合にそれが起こるのでしょうか。

たとえば、結果を出せなかった自分が情けなくなったときに、

「なんでわたしはいつもこうなんだろう」
「なんでこんなことができなかったんだろう」
「なんでこれをやろうと決めたのに、いつもちゃんと続けられないのだろう」

というように、自分に対してイライラするタイプです。

これを続けて、自分を責め続け、メンタルヘルス不調になってしまう人もいます。

じつは、これは真面目な人に多いのです。いつも自分に非があると思い、

「なんでこういうときにちゃんと言えないんだろう」
「なんでできないんだろう」

と考えすぎてしまうのです。

あるいは、上司の期待や親の期待に沿えなかったときに、

「なぜわたしはいつも、結果を出せないんだろう。本当に情けない。どうしてなんだろう……」

と、自分に対してのイライラを溜め込んでしまう人もいます。