がんを防ぐには何に気を付ければいいのか。医師の一石英一郎氏は、「日本人のがん予防について重要なのは禁煙、節酒、食生活、身体活動、適切体重の維持、感染の6要因。このうち感染以外の5項目について努力すればがんリスクは半減する」という――。
※本稿は、一石英一郎『親子で考える「がん」予習ノート』(角川新書)の一部を再編集したものです。
国立がん研が教える「日本人のためのがん予防法」
がんにならない方法についてお話します。「そんなの本当にあるのか?」とお思いの方も多いと思います。「それがわかればがんで死ぬ人なんていなくなるじゃないか」。ごもっともです。
ただ、これまでお話したように、絶対にがんにならない方法などどこにもありませんが、科学的根拠がハッキリしたがんリスクを減らす方法は世界各国で研究されており、がんを遠ざける確かな方法は少ないながらもわかってきています。
日本では、国立がん研究センターをはじめとする研究グループが日本人を対象としたこれまでの研究から日本人のがん予防について重要なのは「禁煙」、「節酒」、「食生活」、「身体活動」、「適切体重の維持」、「感染」の6要因だと報告し、「日本人のためのがん予防法」を定めています。
それによると、こうした生活習慣と感染が原因の日本人のがんは男性53.3%、女性27.8%とされています。「感染」以外は自分の努力でコントロールできるため、5項目について努力すればがんリスクは半減するとしています。