どうしても禁煙できない人はどうすればいいか

最も大切なことは喫煙習慣がある人はただちにやめることです。タバコががんのリスクを高めることは科学的に立証されています。私もこれまでに胃がん、大腸がん、肝臓がん、膵がんなどたくさんのがん患者と接してきましたが、その多くはタバコ好きの方々でした。国内外のがん研究では肺がん、食道がん、口腔がん、大腸がん、乳がんなどのリスクを高めると警告しています。

喫煙は最初に改めるべき生活習慣です。よく「やめることはできないので本数を減らすよう努力する」という人がいますが、当てになりません。本人は節煙しているつもりでも、実はよくよく考えてみれば節煙ストレスで逆に本数が増えていたり、節煙したものの喫煙ルームで長く過ごしていたりして副流煙の悪影響を受けている可能性もあります。

とはいえ禁煙してくださいと言われてもそれができない人もいます。ならば、これからお話しする生活改善をほかの人以上に頑張るといいでしょう。

ピロリ菌の除菌をすれば胃がんはかなり防げる

「ウイルスや細菌の感染」からの発がんも科学的に示されています。主なウイルスは肝臓がんと関連するB型、C型肝炎ウイルス、子宮頸がんのヒトパピローマウイルス、白血病の成人T細胞白血病ウイルスです。細菌では胃がんの一因になるヘリコバクター・ピロリ菌が挙がります。

これらの対策には感染を避ける・防ぐ、あるいはワクチンの接種、治療薬の投与があります。その中でとくに重要なのはピロリ菌の除菌です。日本人の胃がんの98%はピロリ菌の感染が原因だといわれています。ピロリ菌は、日本最大の感染症で5000万人以上が感染しているとされています。感染率は60歳以上で70~80%で、20歳以下は10~20%とされています。若い人ほど感染率は低くなります。

ピロリ菌に感染すると、慢性の胃炎や胃潰瘍を発症します。こうした持続的な炎症により、慢性の胃炎や胃潰瘍がある人の胃がんリスクはそうでない人に比べて最大10倍に上るのです。除菌は当然積極的に行うべきです。

ただし、除菌をしたからといって「これで安心、胃がんの検査はもうしなくていい」なんて思ってはいけません。確かにピロリ菌を除菌すると胃がんのリスクは下がりますが、除菌後もピロリ菌の感染でダメージを受けた胃の粘膜には発がんリスクが残っています。ピロリ菌に感染していない人と同じではありませんし、海外ではピロリ菌以外の原因での胃がんも増加傾向にあると言われています。注意が必要です。