カルロス・ゴーンの逃亡、イランとアメリカの対立、新型コロナウイルスの感染拡大……。新年を迎えてまだ1カ月強にもかかわらず、2020年は“事件”があまりにも多い年となっている。さらに、20年7月には東京五輪が控え、秋にはアメリカ大統領選挙もある中で、日本の株式市場はどうなるのか。人気アナリストの馬渕磨理子氏が解説する――。
LCCの株はなぜ“買い”か
20年の株価は、全体としては一時的な冷え込みを見せるものの、回復するというのが私の見方です。キーワードは、「経済対策26兆円」「セキュリティ業界」「アメリカ大統領選挙」「5Gの本格化」「五輪特需」の5つです。順番に説明します。
まず、株価が上がる根拠として、米連邦準備制度理事会(FRB)が利上げを停止し、20年7月からは3連続で利下げを行うなどタカ派からハト派に転換していることが挙げられます。現時点では、FRBは追加の利下げはないとの見解ですが、20年1月末のパウエル議長の発言から年内の追加利下げの観測が高まっています。また、トランプ大統領は20年11月の選挙を控えて、景気後退を回避したいはずであり、アメリカ経済の好調は株価を下支えする。さらに、それを強力に後押しするのが日本政府の「経済対策26兆円」です。