不手際連発! ポスト安倍に影響大
世界中で感染拡大している新型コロナウイルスをめぐり、安倍晋三政権の後手後手な対応が批判を浴びている。現在は中国・湖北省に滞在した外国人の入国を拒否するようになったが、当初は「震源地」である武漢市からチャーター機で帰国した日本人全員を検査することができず、感染症法に基づく「指定感染症」の政令施行日や搭乗者負担としていたチャーター機費用も土壇場で方針転換するなど不手際ぶりが浮き彫りになっている。「危機管理」の強さを売りにしてきたはずの安倍政権に今、何が起きているのか。
野党が繰り返し追及してきた森友・加計問題や財務省の文書改ざん問題など、「普通ならば内閣が吹っ飛ぶ」(閣僚経験者)とされたテーマでも乗り切り、史上最長政権となった安倍内閣だが、新型コロナウイルスをめぐる対応はあまりに遅く、お粗末さが目立つ。
中国・湖北省では2019年12月以降、新型コロナウイルス関連肺炎の発生が確認されていたが、日本政府が関係閣僚会議で対応方針を決定したのは20年1月21日。その方針も感染リスクが高い地域からの帰国者・入国者に対する健康状態の確認や情報収集・情報提供など4項目で、この時点で安倍首相は「持続的なヒトからヒトへの感染が確認されている状況ではないが、一層の警戒が必要となる。感染症の発生状況など情報収集の徹底に万全を期してほしい」との認識だった。