アメリカ大統領選挙

次に20年11月に行われる「アメリカ大統領選挙」です。過去数十年のデータを見ると、大統領選挙の前年は、最も株価のパフォーマンスがよく、大統領選挙年は微増、選挙翌年はプラスで推移するというデータがあります。つまり、20年から21年に向け、アメリカ株は上昇基調にあると予測できます。

しかし、同時期の日経平均は下落するかもしれません。そこでまずは、20年4~6月期の株高のときにうまく利益確定をするスタンスをとりながら、大きく調整した後の秋以降は、株高に向けて仕込む戦略を取るのが賢明です。

過去のデータを見て予測すると、アメリカ大統領選挙前の秋口に日経平均は2万円を割り込み、年末にかけ2万5000円と1年間を通して約5000円幅での値動きを見せるというのが私の見立てです。

続いて4つ目。「5Gの本格化」です。関連銘柄はかなり上昇すると思われます。というのも、19年日本政府は5G整備への投資額には15%の税額控除か、投資額の30%を経費と見なす特別償却を選べるなど優遇措置を盛り込みました。当然、通信業界各社は5G投資を積極的に進めるでしょう。また、スマホメーカーの5G対応機種発売に合わせて半導体業界、電子部品業界の株価も上昇が期待できます。

5G携帯が普及すれば、コンテンツを持っている企業に強みがあります。19年はソニー<6758>の復権の印象が強い年でした。同社は今やゲーム・音楽・映画などのコンテンツの強みを持つ総合コンテンツ企業となっています。5Gの到来によりソニーのコンテンツ力は魅力をさらに増すでしょう。

さらに、ソニーは半導体事業も堅調です。電子の目といわれる「CMOSセンサー」は世界中のスマホに組み込まれており、同社のCMOSイメージセンサーの世界シェアはなんと50%にも及びます。

そして、ソニーが次なるターゲットとして目をつけているのが、自動車。CMOSセンサーはクルマにも使用されるため、今後さらなる需要の増加が予測されています。

ほかには、アップル関連銘柄として積層セラミックコンデンサを主力とする村田製作所<6981>、5Gの計測通信機器のアンリツ<6754>、システムインテグレーターの伊藤忠テクノソリューションズ<4739>の銘柄も5G銘柄として注目です。

最後が、「五輪特需」。これぞ本命! と思う方もいらっしゃるかもしれません。が、オリンピック好景気は、株式市場においては19年時点でピークアウトしているといわれています。

とはいえ、世界的イベントが行われると、個人消費は夏場に向けて盛り上がるのは間違いありません。