6月末で終了する「キャッシュレス還元」

個人消費の分野において、警戒しなければならないのが、20年6月末で終了する「キャッシュレス還元」です。

20年7月以降は実質増税となるため、個人消費の落ち込みは必至となります。また、19年は一部業種で新規求人数が減少に転じています。つまり、企業収益も減益に転じるため、賃金の上昇率は鈍る可能性があります。

これまでの5つのキーワードをもとに、全体的な予測をまとめます。

アメリカ大統領選挙や米中貿易摩擦の再燃の可能性など、未来が読めない外部要因に左右される銘柄の予測はとても難しいので、買いも売りも避けるべきです。特に、どこまで感染拡大が広がるか読めない新型コロナウイルスの問題を抱える中国関連は避けたほうが無難でしょう。

アオキはもはや、「スーツ屋さん」ではなくなった。
アオキはもはや、「スーツ屋さん」ではなくなった。

結果、力を入れるべきは「内需株」。これしかありません。日本国内の消費に目を向けると、紳士服の販売で知られるAOKIホールディングス<8214>がエンターテインメント事業として手がける複合カフェ「快活CLUB」の動向にはぜひ注視してください。

同社の見通しによれば23年3月期には、なんとエンターテインメント事業の営業利益がファッション事業を上回るまでに成長するとのこと。「快活CLUB」は19年度、売上高約368億円、436店舗を展開し複合カフェ業界で業界1位の地位を築いています。

さらに内需に目を向けると、人手不足や業務効率化のためのIT投資に積極的な企業に注目してください。特に、今後も増えると予想される分野は、前述したセキュリティや機関業務統合管理、営業支援、顧客管理などのツールを販売する企業。ビジネスに必要なITサービスをフルラインナップで提供するSCSK<9719>はその筆頭です。結局、20年は国内・内需株が一番安全というのが答えなのです。

(構成=鈴木俊之 撮影=横溝浩孝、まつもとこーたろー)
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