素朴な疑問をぶつけるのも効果的

聞き上手になるには、ですか。実は子どもの頃は赤面症で、人前でしゃべるのが苦手だったんです。アナウンサーのなかでも、しゃべりが秀でているとは、全然思えません。

アナウンサー 生島ヒロシ氏

TBSの先輩だった小島一慶さんは話をデフォルメするのがうまかった。久米(宏)さんは寸鉄人を刺すようだし、古舘(伊知郎)くんはとにかくしゃべり倒す。僕は人間に興味があるから、面白い人の話を聞き出して、それをネタに自分が話す。無理やり自分からしゃべらなくとも、相手の話をよく聞いて、自分が抱いた素朴な疑問をぶつければ、話はおのずと回転していく。本当ですよ。

まずは初対面で相手を緊張させないことが重要だと思います。名刺はいいツールですね。うちのマネジャーの中山くんの名刺には「毎日が崖っぷち」と書いてある。何? と思うじゃないですか。これが話のきっかけになります。ルビがないと困る名字も使える。例えば「東さん」はヒガシさんかアズマさんか、迷いますよね。それなら「アズマじゃないです、ヒガシです」と名刺に書く。「ニシの反対、ヒガシです」でもいい(笑)。名刺1つで、距離を縮められます。

聞き手として「しめた」と思うのは、プロフィールに載ってない話を引き出せたときですね。