注目! 年4%成長を続ける通販化粧品市場
TPCマーケティングリサーチは2019年8月、通販化粧品市場に関する調査結果を発表した。2018年度の通販化粧品市場は、前年度比4.2%増の4,292億円だった。市場は右肩上がりで成長を続けており、特に15年以降は、毎年4%以上の成長と好調に推移している。
同社リサ・リューション事業部リサーチグループの福原裕子氏は「15年以降、大手企業は商品ラインアップをブランドごとに集約しています。それ以前はシワやたるみに効くなどニーズに合わせて商品が細分化していましたが、近年は“肌本来の美しさを引き出す”など原点回帰が進んでいます」と説明する。実際、オルビスや山田養蜂場はシリーズ・ラインの集約を進める。
また近年は酒造メーカーやアパレルなどの異業種参入が相次いでおり、市場の成長を後押ししている。「既存の小売流通を持っていなくても参入でき、OEMで小ロットからでも生産の受け皿があるなど参入障壁が低い」。
SNSやアプリの普及も市場成長の一因だ。福原氏は「通販で買うことに不信感がなくなりつつあることに加えて、SNSやアプリで決済までできるようになるなど利便性も高まっています。通販市場は今後も成長が期待できます」と語る。
(図版作成=大橋昭一)