大塚家具が極度の不振から抜け出せずにいる。11月14日に発表された決算では、売上高が前年同期比23.2%と大きく落ち込んだ。店舗経営コンサルタントの佐藤昌司氏は「現預金の減少スピードが著しく、来年の春までに尽きる可能性がある。お家騒動から4年がたった今も悪化したイメージが回復せず、厳しい状況にある」と分析する——。
10月の既存店売上高は前年比23.5%減
大塚家具は11月14日、2019年1〜9月期の単独決算を発表した。売上高は前年同期比23.2%減の210億円、最終損益は30億6200万円の赤字(前年同期は30億5300万円の赤字)だった。売上高は大きく減り、最終赤字はわずかではあるが拡大した。1〜9月期における減収と最終赤字は5年連続となる。
既存店の不振は続いている。この1〜9月の既存店売上高は9月こそ前年を上回ったが、それ以外の月は全て前年割れだ。10月にいたっては前年同月比23.5%減と大幅なマイナスになっている。昨年の9月下旬から11月下旬にかけて実施した「在庫一掃セール」で前年の水準が高かったことと、今年10月の消費税増税前の駆け込み需要の反動という特殊な事情はあるが、これらを考慮しても厳しい状況にあることは明らかだ。
同社といえば、2014年に起きた大塚久美子社長と創業者で父親の大塚勝久氏による「お家騒動」が色濃く記憶されている。経営権を巡って争ったこの騒動が大きな要因となって、販売不振に陥った。それが今も尾を引いているわけだが、販売不振に加えて財務状況の悪化が大きな問題となっている。