子供も親もWIN-WINの「ご褒美制度」とは
中学受験の天王山と言われる小学6年生の夏休み直前、塾から言われたのは「夏休みの学習は400時間を目標にしてください」だった。
首都圏女子最難関の桜蔭中に通うTさん(現中学1年、13歳)の母親(39歳)は、当時「そんなの絶対無理だと思った」と言う。40日間で400時間、つまり1日あたり10時間。塾で1日(8時間)勉強して帰宅後も勉強するはずがない、また次の日も塾なわけだから、と。
しかし、結果的にTさんはトータルで600時間勉強した。なぜ、そんなに勉強できたのか? 母親はこう語った。
「実は、勉強した場合、1時間あたり10円のお小遣いをあげたことも効果があったかもしれません。1日10時間勉強すれば100円、10日で1000円ですよね。子どもからすれば大金です。結局、1カ月で6000円が手に入るので、本人も満足していましたし、親としても6年生の夏休みを有意義に使えて万々歳でした」
普段は、ご褒美制度は設けていない。だが6年生の夏休みをとにかく無駄にしたくなかった、と話す。ここを無為に過ごせば、これまでのハードな受験勉強が水泡に帰してしまう。親子でどれだけの時間や労力を中学受験にささげてきたかを考えれば、1時間10円というお小遣いを特別にあげることに何の迷いもなかったのだ。
両親としては、「1時間10円」は、「今日も一日よく頑張りました」というハンコを押すようなもので、それをお小遣いという“ポイント還元”にして形にしてあげて認めてあげたのだ。
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