※本稿は、『プレジデントFamily2019年秋号』の記事を一部再編集したものです。
1 好きなことをとことんやれ
自分の経験からもし若い人にアドバイスするとすれば、最も大事なことは、好きなことを見つけて、それを伸び伸びとやるということでしょう。壁にぶつかったりとか、苦手だけれどやらなければいけないことがあるときでも、好きなことを自分で選んでやっているという意識があれば、前に進む力が出る。
僕自身を振り返っても、小学生の頃、頑張れたのは、日本語を勉強して日本のカルチャーをもっと知りたい、という情熱が自分の中にあったから。逆にいちばんよくないのは、周りが強制すること。医者にしよう、オリンピック選手にしようと、小さい頃から型にはめることはよくない。
ハーバードの同級生で、すぐに燃え尽きてしまった学生がいました。その子はバレエが得意で、モスクワの劇場で踊るほどの才能があり、親に言われるまま帝王学的にいろいろなことを学ばされて、ハーバードに入ってきた。
でも、互いの意見をディベートでガンガンぶつけ合うような授業についていけなくて。その子は結局バレエもやめ、悲惨な感じでした。自分の意志でやっているわけではないから、心が折れてしまうんです。
一方で、数学の天才みたいな同級生もいて、1学期から大学院生を数式で言い負かすレベルで、他の教科の勉強も上手でした。子供の頃からパズルとかルービックキューブが好きで、難しい数学の問題を一人で解いたりしてきたと聞きました。そういうふうに楽しくやってきた子が、最後は伸びるんだと思いますね。
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