神戸市立東須磨小学校の教員間いじめ問題が波紋を広げている。教育アドバイザーの鳥居りんこ氏は「私が学校現場を取材した経験からすれば、この問題は氷山の一角にすぎない。どの学校にもこうした問題の遠因となる“職員室カースト”が存在しているからだ」という——。
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実は「教員間いじめ」はフツーの光景だった

神戸市立東須磨小学校の4人の教員が20代の男性教員に対して激辛カレーを無理やり食べさせたり、暴行をふるったりしていた問題。「いじめはいけない」と指導すべき立場の教員たちの行動も異様だが、その上に学校責任者である校長が、この件を知っていながら、長期にわたり放置し続けたという事態に驚いた人は多いだろう。

この常軌を逸した職場環境はこの小学校だけの特殊な出来事なのだろうか。

主に中学・高校の現場取材を続けている筆者は、この問題は氷山の一角にすぎないと捉えている。なぜならば、どの学校にも多かれ少なかれ「職員室カースト」があるからだ。

学校は一般社会とは“隔離された環境”であるため、ヒエラルキーが固定化しやすい。それは教室(=生徒)だけではなく、職員室(=教師)にもあてはまる。一度、よどみだすと、その水を浄化させる機能がほとんどないということは昔からの教育現場の問題点のひとつだった。