模試でどれだけ成績優秀でも、受験本番はなにが起きるかわからない。中学受験塾代表の矢野耕平氏は「私は入試直前期に『受験生のマナー』というタイトルのプリントを必ず配っています。そこに書かれているのは『3つの「ない」』。受験本番で本来の実力を発揮するためには、この『3つの「ない」』が欠かせないのです」という――。
入試直前期は人間関係のトラブルにご用心
東京都・神奈川県の私立中学入試が2月1日から幕を開ける。1月には埼玉県や千葉県の私立中学のみならず、地方の私立中学校が首都圏を会場にした入試が始まる。首都圏の大半の中学受験生にとっては中学入試本番まで残すところ1カ月ちょっとだ。
わたしの経営する中学受験専門塾でも連日受験生たちが塾にやってきて、「過去問」の演習やその直しを、さまざまな課題に一意専心している。入試で良い結果を出そうとまさに「追い込み」をかけている折も折、残念ながら子どもの学習意欲をそぐトラブルが起きやすい。
その舞台は塾ではなく、小学校であることがほとんど。学校の友人との人間関係の「もつれ」である。わたしがかつて聞いた事例を紹介しよう。