小さい頃からたくさんの習い事をさせている家庭では、小学4年生ごろから成績が伸び悩むケースが多いという。『5歳から始める最高の中学受験』(青春出版社)の著者の小川大介氏は「習い事や勉強をさせすぎると逆効果になる。それより料理や掃除、洗濯といったお手伝いをさせたほうがいい」とアドバイスする——。
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高学年で成績が伸びなくなる子の共通点

中学受験の指導に関わるようになってかれこれ28年になります。その間、私はさまざまなご家庭の教育相談を受けてきました。勉強のやり方がわからない、大手進学塾の授業のスピードについていけない、頑張っても成績が上がらないなど内容はいろいろですが、特に多いのが「高学年になってから成績が伸びなくなった」というご相談です。

そういうご家庭に「お子さんが小さい頃、どんな過ごし方をされていましたか?」と尋ねると、「月曜日はピアノ、火曜日は公文、水曜日は体操教室、木曜日は学習塾、金曜日は水泳、土曜日は理科実験教室、日曜日はボーイスカウト」といったように、たくさんの習い事をさせていたり、低学年のうちから塾に通わせていたりすることがとても多いのです。

教育熱心な親御さんと頑張り屋さんの子ども。こういう子はみんな低学年まではいい成績をとり続けますが、4、5年生あたりから「あれ? なんかおかしいな」というご家庭が出てきます。一生懸命勉強をしているのになぜか成績が伸びにくくなってくるのです。本人は努力しているのに、伸び悩んだまま入試を迎える子も少なくありません。

一方で、学年が上がるにつれてグングン伸びる子がいます。中学受験の勉強が始まった頃は、「授業のスピードが速すぎてついていけない!」「こんなにたくさんの宿題はできない!」ともがいていたのに、一度ペースをつかむと、別人になったかのように、メキメキと頭角を現すのです。そして、あれよあれよと成績が上がり、入塾時には考えられなかった難関校にひょいっと合格してしまうこともあります。