男の子を伸ばすためには、どんな教え方がいいのか。プロ家庭教師歴約20年で、『中学受験 男の子を伸ばす親の習慣』(青春出版社)の著者である安浪京子氏は「まずは子供が気持ちよく勉強できる状態にすることが大切。簡単な問題から始めて、気分を乗せてあげるのがいい」という――。
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「男の子だから算数が得意」ではない

「うちは男の子なのに、算数の点数が取れなくて……」
「男の子だからか、字が雑で……」

カウンセリングやセミナーなどで、男の子の親御さんからよく相談される内容です。一般的に、男の子の特性としてよく言われるのが、「男の子は算数が得意で、国語が苦手」というもの。確かに、全体的に見れば、その傾向はあるかもしれません。しかし、家庭教師として一人ひとりの子供と向き合うと、「男の子だから」「女の子だから」という性別ではなく、個人差が大きいと感じることが多々あります。

男女差で得意・不得意がある例としてよく挙がる算数ですが、算数はどの分野でも考え方を理解し、解き方を知り、演習を積めば得点につながる科目です。そのプロセスに男女差はありません。

よく「男の子は立体図形が得意」という説を聞きますが、これは幼児期の遊びの影響が大きいようです。女の子が小さいときにお人形遊びやお絵かきをしている間、男の子はレゴやプラレール、ボール投げをして遊ぶことによって空間認知力が鍛えられます。実際、男兄弟と外で体を動かしたり、組み立て式のおもちゃで遊んでいたりした女の子は立体図形が得意です。逆にそういう遊びをしていなかった男の子は立体図形が苦手な傾向にあります。