男の子に与える歴史マンガは「リアル」を重視

子供を歴史好きにするのには、「歴史マンガ」がおすすめです。私が子供のころは、歴史マンガといえば学研や小学館の歴史マンガが主流でしたが、今はいろいろな出版社から歴史マンガシリーズが出ています。大人の感覚からすると、「マンガだったらどれも同じじゃない? 何を与えても楽しく学べるでしょ」と思うかもしれませんが、子供には入り込みやすい絵とそうでない絵があります。

男の子が好むのは、昔からあるいかにも「歴史マンガ」的なもの。最近ではCGイラストなどでよりリアルに表現した『史上最強カラー図解』シリーズ(ナツメ社)なども人気です。

一方、女の子は線がやわらかくてキレイな絵を好みます。最近では、『ねこねこ日本史』(実業之日本社)や『ヘタリア』(幻冬舎)が人気のようです。『ねこねこ日本史』は歴史上の人物に扮した猫が繰り広げる歴史マンガです。『ヘタリア』は世界史がテーマなので中学受験には関係ありませんが、世界のさまざまな国の歴史、民族、風土などを人に表して国を擬人化したマンガです。

一度ほれ込んだら、とことん深掘りする

このように女の子の好むマンガは、人物そのものをリアルに描いたものよりキレイな絵、あるいは動物など別のかわいいキャラクターに置き換える方がなじみやすいようです。逆を言えば、学校の図書館に昔から置いてあるような歴史マンガには、あまり興味を示しません。

一方、男の子は歴史的人物を動物にするなんて絶対に許しません。頼朝は頼朝、信長は信長。そんなところをいじってほしくない。「かわいい」よりも「リアル」が大切であり、彼らの生きざまを詳細に描いたマンガにほれ込みます。

歴史好きの男の子は、一度ハマると、とことんその世界を追い求めます。私の教え子に『三国志』が大好きな男の子がいましたが、その子は5年生の時点で3つの出版社の『三国志』を読み比べていました。このように、男の子は一度「この将軍が好きだ!」とほれ込んだら、とことん好きになり、どんどんその世界を深掘りしていきます。