親の声がけで子どもの好奇心が育つ

小さい子どもはみんな好奇心の塊。目にするもの、手にするもの一つひとつに関心を抱きます。そのときに、親御さんも一緒になって、「わぁ、これはおもしろいね!」「なんでこんな形をしているんだろうね?」「なるほど、よく考えてできているね」と一緒になっておもしろがったり、感動したりすると、がぜん子どもの心の動きが変わってきます。

こうした親御さんのちょっとした声かけによって、子どもはいろいろなことに好奇心を持ったり、疑問を持つ習慣をつけたり、「何という名前なんだろう」と知識欲を持ったり、発見の喜びを味わったりといった学ぶことの楽しさを知るのです。幼い時に「知らないことを知るのは楽しい」「答えがわかると気持ちがいい」という体験をたくさんしておくと、勉強に対する抵抗感がなくなります。

しかし、こうしたやりとりは親御さん自身の気持ちに余裕がなければ難しいもの。1日のスケジュールをギチギチに詰め込んでしまうと、予定通りにやらせることばかりに気が向いてしまい、子どもと一緒に感動したり、疑問に思ったりする余裕はないでしょう。特に最近の親御さんは共働き家庭が多く、毎日の生活を回していくだけでも大変です。そんなときはムリをせず、日常のあらゆるシーンを遊びに変えて、学びの場にしてしまうといいでしょう。

一緒に買い物をして「暗算王」をめざす

おすすめはお手伝いです。料理、洗濯、掃除、買い物……、お手伝いには学べることがたくさんあります。例えば料理なら、切りやすい野菜や肉を切ってもらう。ハサミと違って、ナイフで固形物を切ると、その断面図を知ることができます。また、ハンバーグをこねるなどの作業は子どもにとっては遊びそのもの。「じゃあ、家族5人だから5つに分けてみよう!」と仕上げを一緒にやると、“分ける”という感覚を身に付けることができます。

買い物に付き合ってもらうのもおすすめです。買い物は合計金額や値引き額を教えてもらったり、予算を決めて何が買えるかを考えてもらったりと、計算力を高める絶好のチャンス。事の是非は別にして、消費税が10%に上がりました。子どもにとっては計算しやすくなったわけですから、増税分を少しでもわが子の成長に生かしてやりましょう。軽減税率まで考慮に入れたら暗算王間違いなしです。

また、スーパーマーケットは商品の特徴によって生鮮食品コーナー、乾物コーナーといったカテゴリーに分かれています。実は、このカテゴリーに分けて覚えるというのは、学習上とても大切です。

例えば理科の植物分野では、花のつくりや実のできかたによってグループが分かれます。グループに分けるという頭の使い方には抽象化能力が必要であり、まとめる力や共通点や相違点を見つける力が養われるのです。このようにお手伝いは学びの宝庫です。