お手伝いの段取り力が中学受験で差をつける
お手伝いをさせるメリットは他にもあります。それは、段取り力を身に付けられることです。
家事というものは常に時間に追われます。7時に夕飯を食べるには6時にごはんの支度を始めなければいけない。そのためには5時までに買い物に行かなければいけない、といったように逆算して考える力が求められます。この段取り習慣を早いうちから付けられたら、子どもの生活はうまく回っていくし、何よりも親御さん自身がラクになります。
特に時間が限られている中学受験では、この段取り力が大きな力を発揮します。私のこれまでの指導経験から見ても、勉強ができる子はたいてい段取り上手です。段取り上手な子は、目標を達成するには何をどのように進めればいいか逆算して考えられます。もちろん、小学生なのですべてを任せるのは難しいですが、スケジュールを意識できることは、中学受験における大きなアドバンテージになります。
「関わり方」を工夫すれば学びの土台ができる
こうして見ていくとお分かりのように、中学受験でグングン伸びていく子の土台づくりは、幼少期に何か特別な習い事をしているかどうかではないのです。そんなことより大事なのは、子ども自身が持つ自ら育つ力をうまく引き出してあげること。日々のちょっとした関わりを工夫することです。
お子さんの興味を引くような声かけをしたり、日常のあらゆるシーンで遊びながら学びにつなげてあげたりするだけで、子どもは自分で伸びてくれます。親御さんがムリに頑張る必要はないし、子どももムリする必要はありません。
ただちょっとした関わり方の知識を持って、日常を親子で楽しく過ごしているだけで、学びの土台ができていきます。幼少期にこの学びの土台をしっかり作ることができれば、子どもは自らの力でグングン伸びていくのです。
(構成=石渡 真由美)