入浴後は水分補給が必要だが、最適な飲み物は何だろうか。医師の谷口英喜さんの書籍『いのちを守る水分補給』(評言社)より、湯冷めしない水分補給についての解説をお届けする――。
スポーツしなければスポーツドリンクは飲まなくていい
スポーツドリンクを飲むことで、なんとなく適切な水分補給になっている、健康増進につながったり、元気になれたりすると思っていませんか。
しかし、スポーツしなければスポーツドリンクは無理に摂取する必要はありません。
それでは、どのようなときにスポーツドリンクを摂取するのがよいのでしょうか。
ここでは、スポーツドリンクについてとことん学んで、その正しい飲み方を習得してみましょう。
元祖スポーツドリンク「ゲータレード」
わが国では、何種類ものスポーツドリンクが発売されています。その元祖が「ゲータレード」です。
ゲータレードは1965年に、フロリダ大学のアメリカンフットボールチーム「フロリダ・ゲーターズ」のために、同大学の医学・生理学者ロバート・ケード博士によって開発された飲料です。
ゲータレードという名称は、チーム名と「エード」(ade:レモネード〈lemonade〉等、飲料の意)の合成語です
ゲータレードはスポーツドリンクの元祖で、現在でも、世界シェアナンバーワンのスポーツドリンクです。
100ミリリットルあたり5ミリグラムと高濃度のナトリウム(塩分)が含まれています。その理由は、体を動かしたことによる発汗に対して、適切な量のナトリウムを補うためです。
また、いわゆる疲労回復の際に最も効率のよいエネルギー源であるブドウ糖やショ糖が多く含まれています。
つまりスポーツドリンクはその名のとおり、激しい運動で失われた水分、ナトリウム、糖分を補うための飲料であるということです。