スポーツドリンクの成分に明確な基準はない
わが国では、スポーツドリンクの成分には明確な基準がありません。「スポーツに際して適した飲料」とうたって自由にアレンジしているのが現状です。
実際には、商品により塩分および糖分濃度や、含有されている栄養素の種類もさまざまです。
したがって、飲料の摂取目的にもさまざまなものがあります。
【スポーツ飲料の摂取目的と適切なスポーツ飲料(例)】
①スポーツ後に失ったエネルギー補給→糖分が強化された飲料
②スポーツ後の疲労回復→ビタミン・クエン酸が強化された飲料
③スポーツ後の電解質補給電解質が強化された飲料(目安はナトリウムイオン濃度4m/d以上)
④スポーツ後の水分補給→経口補水液に近い成分
⑤スポーツ後の筋肉の再生目的→アミノ酸(分岐鎖アミノ酸)が強化された飲料
目的が異なるスポーツドリンクを飲むと逆効果
このように、摂取目的がさまざまなので、本来はスポーツドリンクとしてひとまとめにするべきではないのです。例えば、④の目的で②を飲めば、浸透圧が高いので水分吸収に時間を要します。
熱中症の際に③の目的で⑤を飲めば、アミノ酸により体温が上昇してしまい熱中症を悪化させる危険もあります。
したがって、本来ならばスポーツドリンクをカテゴリー別に分けて、消費者の健康に寄与する飲料として販売するのが消費者目線といえるでしょう。