言語化のスキルを高めるにはどうすればいいのか。ノート術研究家の山田智恵さんは「日々の出来事や心情をノートに書き出し、定期的に振り返るのが有効だ。最初は『今週はちょっと疲れてたな』『よく頑張った1週間だった』くらいの振り返りでいいので、習慣にしたほうがいい」という――。

※本稿は、山田智恵『最高の未来に変える 振り返りノート習慣』(かんき出版)の一部を再編集したものです。

ノートに書き込んでいる人
写真=iStock.com/nortonrsx
※写真はイメージです

ノートを「書くだけ」ではもったいない

人生を豊かに生きるために、私は、ノートを使った振り返りを実践し、その振り返りノート習慣を提唱しています。

ノートは、内面を映す鏡となります。

日々の出来事や心情をノートに書き出し、振り返ることで、心の内に秘めた想い、どう生きたいと思っているのか、自分の関心、思考パターンや行動のクセ、自分の根っこにある信念が見えてきます。

自分自身を振り返る内省は、自分とコミュニケーションをとる方法とも言えるでしょう。

この振り返り方法は、「書く」と「振り返る」を分けてやります。

書くだけではなく、「書いたことを振り返る」ところが大切なのです。

なぜなら、書くだけでは見えなかったものが、振り返りではじめて見えてくるからです。

そんな振り返りの際に活用できるのが、7つの振り返りスキルです。

この7つのスキルを身につけることで、思考・感情といった内なる声を言語化し、行動を加速させていくことができます。

また、出来事をどう捉えるか、自分をどう捉えるか、という認識自体を鍛えることができます。

今回は、そんなスキルのひとつである「抽象化」についてお伝えしていきましょう。

「まとめて言うと何だろう?」と考えてみる

あなたの周りに「要するにこういうこと?」と話をわかりやすくまとめてくれる人はいないでしょうか? そういう人は抽象化が得意な方です。話の枝葉をバッサリと捨て去り、本質をわかりやすい言葉でまとめていく力が、抽象化スキルなのです。

私が最高の未来をつくるために行っている「振り返り」では、日々ノートに書き出した具体的な事象の枝葉をバッサリと落として、幹となる部分や、奥底に隠れていた根っこを見つけ出していきます。

ノートの中には、仕事のこと、家族のこと、趣味のこと、読んだ本のことなど、いろんなことがバラバラに書かれていると思います。このバラバラの情報から、着目すべきものを取り出して、まとめていきます。一見、関係ない話に見えるものも、共通点を探し出して、「まとめて言うと何だろう?」と考えてみましょう。