※本稿は、山田智恵『最高の未来に変える 振り返りノート習慣』(かんき出版)の一部を再編集したものです。
ノートを「書くだけ」ではもったいない
人生を豊かに生きるために、私は、ノートを使った振り返りを実践し、その振り返りノート習慣を提唱しています。
ノートは、内面を映す鏡となります。
日々の出来事や心情をノートに書き出し、振り返ることで、心の内に秘めた想い、どう生きたいと思っているのか、自分の関心、思考パターンや行動のクセ、自分の根っこにある信念が見えてきます。
自分自身を振り返る内省は、自分とコミュニケーションをとる方法とも言えるでしょう。
この振り返り方法は、「書く」と「振り返る」を分けてやります。
書くだけではなく、「書いたことを振り返る」ところが大切なのです。
なぜなら、書くだけでは見えなかったものが、振り返りではじめて見えてくるからです。
そんな振り返りの際に活用できるのが、7つの振り返りスキルです。
この7つのスキルを身につけることで、思考・感情といった内なる声を言語化し、行動を加速させていくことができます。
また、出来事をどう捉えるか、自分をどう捉えるか、という認識自体を鍛えることができます。
今回は、そんなスキルのひとつである「抽象化」についてお伝えしていきましょう。
「まとめて言うと何だろう?」と考えてみる
あなたの周りに「要するにこういうこと?」と話をわかりやすくまとめてくれる人はいないでしょうか? そういう人は抽象化が得意な方です。話の枝葉をバッサリと捨て去り、本質をわかりやすい言葉でまとめていく力が、抽象化スキルなのです。
私が最高の未来をつくるために行っている「振り返り」では、日々ノートに書き出した具体的な事象の枝葉をバッサリと落として、幹となる部分や、奥底に隠れていた根っこを見つけ出していきます。
ノートの中には、仕事のこと、家族のこと、趣味のこと、読んだ本のことなど、いろんなことがバラバラに書かれていると思います。このバラバラの情報から、着目すべきものを取り出して、まとめていきます。一見、関係ない話に見えるものも、共通点を探し出して、「まとめて言うと何だろう?」と考えてみましょう。