行動力をつけるにはどうすればいいのか。ノート術研究家の山田智恵さんは「やりたいことがあっても実際に行動へ移せないのは、意志が弱いからではない。誰が聞いても同じ行動をとれるくらいまで具体化できれば、行動に移すスピードが格段に上がる」という――。

※本稿は、山田智恵『最高の未来に変える 振り返りノート習慣』(かんき出版)の一部を再編集したものです。

ノートに書きこむビジネスマン
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「具体化」できれば、行動力は格段に高まる

ノートに日々の出来事や感じたこと、気付いたことを書き留め、それを振り返って内省する「振り返りノート習慣」をつけることで、人生の質は各段にアップします。

その振り返りの過程で活用するスキルのひとつが「具体化」です。

振り返りにおける具体化スキルとは、行動できるように落とし込むことです。

もしあなたがなかなか行動へ移せないとしたら、それは意志が弱いからではなく、ただ具体化するスキルが弱いだけかもしれません。具体化できたら、とたんにスッと動けるようになる人はたくさんいます。

振り返りで具体化スキルを鍛えていくと、行動に移すスピードが格段に上がっていきます。

具体化できていない例を見てみましょう。

ある年に私は、「綺麗な場所でワーケーションをしてみたい!」とノートに書いたことがありました。

しかし、2年経っても、実現できませんでした。

これだと、いつ行くのか? 綺麗な場所ってどこなのか? 何泊するのか? 予算はいくらなのか? 何も具体化されていないため、とても動きにくいのです。

「本当にやりたいことか」が明確になる

そこで、こんな風に具体化してみました。

「3月の最初の週末に、箱根の温泉旅館で、予算5万円で3泊のワーケーションをしてみよう」

かなり具体的になりましたね。ここまで具体的になるとスケジュールに入れることができますし、宿泊先も探しやすくなって、行動しはじめることができます。

もし、自分のことを「行動力がないな」「最近、変化がないな」と思っていたら、やりたいことを今すぐ動けるまで、細かく具体化してみてください。

具体化する良さは、もうひとつあります。

それは、本当にやりたいことかを確かめることができる、ということです。

抽象的なままだと、本当にやりたいのか、そうじゃないのかを確かめられません。そうすると、いつまでも「やりたいこと」だと頭で思い描きながらも、実際には行動するまでには至らず、「私は実現できない」と自分を責めてしまうこともあります。

具体化したときに、「あれ? そんなにやりたくないかも?」と気づくこともあります。それを発見することで、自分が本当にやりたいことを見つけ出すきっかけになります。