いつまでも健康に過ごすためには、どんなことに気を付けるべきか。医師の谷口英喜さんは「体のむくみは太る原因になる。体重が気になる人はダイエットをする前に、まずはむくみを解消することが大切だ」という――。

※本稿は、谷口英喜『いのちを守る水分補給』(評言社)の一部を再編集したものです。

体重の6割は水分

最初に申し上げておきます。

痩せるための水分補給法は実在しません。

その理由は、本書でも学んできたように、体重の6割は水分が占めているからです。

医学的に確実に早く痩せる方法は、水分をとらないか、利尿薬を内服して、水分を体外へ排泄させることです。

これはともにむくみや心不全を起こした場合の病気の治療であり、健康な人が実施すべきことではありません。リバウンドでかえって太ることもあるのです。

太った自分の腹をつまむ男性
写真=iStock.com/kuppa_rock
リバウンドでかえって太ることも(※写真はイメージです)

よく患者さんから聞くのは、ダイエットサプリを飲んでいる間はたくさん尿が出て痩せているけど、止めた途端にリバウンドで太るという話です。それではサスティナブル(sustainable:持続可能)ではありません。でも安心してください。本書では、太らないためのサスティナブルな水分補給法を伝授しましょう。

「水飲みダイエット」をしてはならない

水分摂取量は個人によるオーダーメイドです。したがって、規定された水分量を漠然と摂取するのではなく、アウトカム(結果や成果)が得られていれば適切な水分量なのです。

本稿での適切な水分摂取量のアウトカムは「太らない量」です。結論からいえば、体重計測を頻回に行い、太らない量の水分摂取量を個々で見つけることになります。

水分補給を継続する目的は、代謝過程で不要になった老廃物を排泄したり、便通をよくしたりするためです。老廃物の貯留や便秘は体重増加の原因や万病のもとになります。

体重を計測しながら適切な水分補給量を見つけ、水分補給を継続するサスティナブルなサイクルができあがればベストです。体重計だけあればできるので、誰でもどこでも可能ですよね。

決して、水制限をしたり、水だけを飲む水飲みダイエットなどをしないでください。さらには、適切な水分摂取は空腹感も満たすので、食べすぎの予防にもつながります。