AIの進化によって言語の壁が低くなりつつある。実業家の堀江貴文さんは「AI翻訳は便利だが、必ずタイムラグが発生するためリアルタイムの会話や会議ではストレスになる。人間が自分で喋るほうが圧倒的に早いのは変わらない」という――。

※本稿は、堀江貴文『いつまで英語から逃げてるの? 英語の多動力New Version』(Gakken)の一部を再編集したものです。

堀江貴文さん
写真提供=Gakken
堀江貴文さん

ChatGPTは凄まじいスピードで進化している

海外と取引がある企業では、数年前から、基本的な英会話はできて当然という空気が強くなっていると頻繁に耳にする。英語を使う部署でなくても、英語教材の購入に会社から補助が出たり、英語ができる社員が高く評価されたりするようになってきたそうだ。

国内勤務者であっても、以前に増して業務で英語を使う機会が増えているのだろう。

しかし普通に考えて、仕事を持つビジネスパーソンが日本にいながら英語力を伸ばすのは並大抵のことではない。そこで役に立つのがChatGPTだ。

ChatGPTの進化速度と能力には凄まじいものがある。

これまでは人間がやっていたことをChatGPTが代わりにやったとしても、ほとんどの人にバレないケースが今後増えてくるだろう。

例えば洋書の内容を要約して、人に紹介するといったとき。

長い小説やノンフィクションについて「要点を箇条書きで5つ書き出し、それを読むメリットを300語以内で提案してください」とChatGPTに頼めば、その通りの英文を出してくる。

分厚い洋書を読んだはいいけど、その良さを人に伝えるのは難しい。レビューのために、また読み返すのも時間がかかるし、そのときの読み手の興味や教養レベルによって、印象に残っている内容に個人差がもろに出てしまうからだ。

でもAIはそれを命令通りの文字数で代わりに紹介してくれる。

他人から教えてもらっているようでは遅い

ChatGPTを使いこなしているのは、今はまだ一部のアーリーアダプターが中心かもしれない。iPhoneは2007年に登場し、その5年後に世界中で爆発的に普及した。AIツールが普及するのもそれくらいの時間はかかるだろう。

だからこそ、今から使いこなせるようになっておくことが大事なのだ。

使い方を他人から教えてもらっていては、もう遅い。

自分で試す。

他の人より早く動く。

そうやって先駆者たちは頭一つ抜け出す成果をつかみ取り、それを他人に指南することで、さらに利益を得ているのだ。語学においても先駆者になろう。

POINT
他人にやり方を教わる前に自分で試す。英語だってそうやって実践で学ぶ人が、早く上達している。