本番当日は2時間前に現地入り。直前まで勉強漬け
たゆみない努力の結果、模試の合格可能性は70%以上で安定。しかし、気が緩むのを防ぐために小5の終わり頃から「桜蔭合格ではなく、上位合格を目指そう」が親子の合言葉になっていた。Tさんは「目指すのは上位校合格であり、合格は当たり前と思えていたから、本番もあまり緊張しませんでした」と話す。
Tさん宅から桜蔭までは電車で1時間以上かかる。本番当日は、万全を期して父親と二人で始発電車に乗って現地に向かった。最寄り駅に朝6時半に到着後、集合時間までの約2時間はファミレスで勉強して過ごした、と言う。最後の最後まで努力を貫いたのだ。
翌日の合格発表は妹や弟も含め、家族全員で見に行った。試験後の自己採点で合格は確信できていたが、実際に番号を確認した際は家族全員で涙を流した。
合格会場から鉄緑会に電話し、入塾の予約した
しかし、歓喜に浸っていたのはごくわずかな時間だ。なんと父親は合格会場から鉄緑会に電話し、入塾の予約をしたという。次の目標は東大理科Ⅲ類合格だ。
母親は小2の時に「(学力を)維持できれば合格できますよ」と言われたことは、今振り返れば、塾のリップサービスだったと考えている。あのままの成績を維持するだけではきっと桜蔭に合格できなかっただろう、と。
最終的にTさんが桜蔭合格をつかむことができたのは、やはり両親が子供と苦労を共にしたことが大きいだろう。Tさんが「1時間勉強でお小遣い10円」というご褒美はそうした自宅での学習環境を整えるのに大いに役立ったわけだ。