学校法人角川ドワンゴ学園の通信制高校「N高」が生徒数を増やしている。現在1万人以上が在籍しており、これは3年前の開校時の約7.5倍だ。この春の第1期卒業生からは慶應義塾大学に8人、早稲田大学に2人の合格者も出た。奥平博一校長は「テクノロジーを活用すれば、必ずしも学校に行く必要はない」という——。
「社会そのもの」を教師として学ぶ
皆さん、こんにちは。学校法人角川ドワンゴ学園の専務理事で、N高等学校(以下、N高)学校長の奥平博一です。
私は大学を卒業後、公立の小中学校や学習塾を経て、39歳の時に通信制高校へ転職。以来21年間、通信制高校に関わってきました。N高は私とって3校目の通信制高校です。
N高の開校は2016年4月。沖縄県うるま市にある伊計島の廃校を利用しました。開校時の生徒数は1482人。現在の生徒数は2019年10月1日時点で1万1317人。この3年で約7.5倍の規模になりました。
N高はまったく新しい通信制高校です。高校卒業資格の取得にとどまるのではなく、これからの未来に出ていく高校生に向けて、通信制の制度を使った新しい教育を提供する学校です。最大のポイントは「社会そのものを生きた教師としている」という点です。どういうことなのか。順を追って説明してきたいと思います。