「自前」だからこそ責任ある教育ができる
N高では、全ての教育課程外の講座を自主作成しています。N高の考えに基づいて制作し、担任のフォローも行き届くようにしています。他の教育機関の講座を使うのではなく、全て自前でやってこそ、責任ある教育、納得がいく教育をできると考えているからです。借り物ならいつでもやめられますが、自前だと吟味し改善していかなければならない責任があります。昨今は、大学受験の講座を予備校に委託する学校も出てきたと聞きますが、N高は、大学受験こそ、自前で行っています。
そしてN高には、通信制高校では珍しく、<クラス>が存在します。オンライン上で<ホームルーム>も展開されます。ただし、全日制のクラスにおけるホームルームとは、異なる空間です。そこには集団ではなく、個の集団が存在しています。この<個>が大切なのです。ホームルームを聞いているだけの生徒もいます。顔を出さない生徒もいます。でもそこに存在し参加しているのです。個を認めることができるのが、N高だと考えています。
若い教師を採用、働き方改革を実践
教師は、若いほうが良い。単純にこれが私の考えです。若ければ、経験が足りない、知識が少ないと、さまざまなマイナス点が指摘されますが、それでも若い方が良い。もっと言うならば<学校の教師>に染まっていない若者が欲しいのです。
われわれが最も大切にすることは、生徒との程よい距離感であり、志、決意です。
学校の枠に生徒を当てはめるのでなく、個々の生徒の状況に学校が果たす役割を当てはめる、逆の発想をできることが大切です。この考えを浸透させるには、志を持った、真っ白な新任の教師の方が良いのです。
スキルは学べば良いし、経験は積むしかない。しかし志を変えるのは最も難しいのです。教師は、未来に生徒を送り出す役割があります。その意味で、教師こそ<時代の最先端>でなければならないのです。そのためには、さまざまな情報に接し、学校以外の活動にも積極的に参加し、自らも発信していく必要があります。リモートワークの導入など、働き方改革を積極的に行っているのもそのためです。