派遣労働者の過半数が3年たたずに辞める
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派遣労働者の過半数が3年たたずに辞める

処遇面ではレンゴーの子会社ということで、親会社に準じた昇給の仕組みはあったが、福利厚生やボーナス面では明らかに格差があった。例えば労使のボーナス交渉では彼らはかやの外に置かれる。千葉工場長の原田圭亮は「工場内に組合員平均何カ月と労使の妥結額が掲示されても彼らには関係ない。彼らも何も言わないけれども、どういうふうに感じるかを考えると、見えない壁のようなものがあったのかもしれない」と推測する。

しかし今では雰囲気もガラリと変わったという。大坊は「これまでガツガツ言い合えませんでしたが、会社が一緒になったことで、もっとこうすれば自分も楽だし、うまく生産できるんじゃないですか、と言える関係になった」と語る。互いが知恵を出し合うコミュニケーションの活性化は生産性の向上に直結する。実際に千葉工場のロス率は08年度下期までは月によって変動するなど不安定な状態が続いていたが、09年度上期はロス率が低い状態で推移している。