絶大な権力をふるう、従来の「官僚」像とは異なる存在

「今井ちゃんはなんて頭がいいんだ。頭の中を見てみたい」。安倍総理にそう言わしめた今井尚哉政務秘書官は、経済産業省出身。自他ともに認める「総理の分身」だ。前川喜平文科省事務次官(当時)に、「総理が自分の口からは言えないから、私がかわって言う」と、加計学園の獣医学部新設を迫ったとされる和泉洋人首相補佐官(国土交通省出身)。「総理の影」が官房長官なら、補佐官は「影の影」か。

森 功『官邸官僚 安倍一強を支えた側近政治の罪』(文藝春秋)

警察庁出身の杉田和博内閣官房副長官は「総理の守護神」。同じ警察官僚、北村滋内閣情報官との杉田・北村ラインで政権のインテリジェンスを一手に握ってきたという。