東京都の20~30代、13人に1人が外国人

取材チームが私たちの住む「日本社会」に分け入って見せてくれたもの――それはこれまでまるで見えていなかった、外国人に頼るニッポンの姿であった。

NHK取材班著『データでよみとく外国人“依存”ニッポン』(光文社新書)

この頃、外国人を街でよく見かけるようになった。しかし、増えたなという実感を超えて、日本人の暮らし、食べ物、そして多くの産業が外国人たちに依存して成り立っていることは、あまり正面から語られてはいない。

食卓に上る葉物野菜、牡蠣、鰹節のカツオ。日本の和食を支えているのは、採取現場の人手不足を補っている外国人の研修生たちだ。そして、労働者や学生アルバイトとして働いている外国人たちは私たちの周りに住人として暮らしている。そんな生活者としての彼らの顔が見えたのが、昨年あたり話題になった成人式のニュースだった。

東京都の各自治体の成人式に、外国人の若者が華やかな振り袖や伝統的な民族衣装を着て集まっている。少子高齢化が進んでいる日本では、団塊ジュニアよりも下の若者たちの人口は圧倒的に少なくなっている。日本全体はまだまだ人口が多いので、近年外国人の受け入れを拡大したとは言っても、さほど多くは感じられない。しかし、本書は若年層に占める外国人の割合に注目する。東京都全体で20代から30代に外国人が占める割合は7.7%。13人に1人が外国人であるということだ。