20代から30代に外国人が占める割合

本書に掲載されたランキングを見ると、20代から30代に外国人が占める割合が高い都道府県は、東京都のほか愛知、群馬、岐阜、三重、千葉、茨城、埼玉、静岡、大阪と続く。いずれも大都市や工業生産の盛んなところだが、例えば群馬県の人々は自分たちの県の若年層の外国人割合が全国で3番目に高い、ということを果たして知っているだろうか。意外に実像は知られていないものだ。

働き手であり、住民のかなりの部分を外国人が占めるようになれば、当然外国人に合わせた新規サービスのマーケットもできる。私たちの暮らしは、外国人なしには成り立たないだけでなく、その彼らに同じく消費者として消費してもらう仕組みも必要だということだ。

先進国はみな少子高齢化に直面しており、優秀な移民の受け入れを競っている。そんななかで、今の日本の仕組みでは、安い賃金で外国人労働者を受け入れて生産やサービスを支えても、技術が身に付いた5年後には母国へ帰ってしまうことになる。そして、そのような定着の機会が限られた国には次第に人気が集まらなくなり、良い人材は他の国に流れてしまうだろう。

本書を今読んでおかなければならないと思うのはまさにその理由からだ。今の日本社会の実像を把握し、すぐ先の未来を設計しておかなければ、きっと手遅れになる。

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