過去の高金利時代は貯金するだけで老後資金が確保できた。ファイナンシャル・プランナーの山口京子さんは「今後、銀行の預金金利が上がったとしても、以前のような年8%の金利は再来しない。老後資金を確保したければ、ある格差に気づく必要がある」という――。

※本稿は、山口京子『お金も人生も薔薇色!老後計画』(主婦と生活社)の一部を再編集したものです。

コワーキングスペースで働く女性
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銀行の金利が上がっても8%の時代はもう来ない

昭和から平成初期だったら、老後資金を増やす方法として銀行に預ける方法もおススメでした。私が持っている古いチラシを見ると、平成2年、郵便局の定額貯金の10年間の年利回りは8.648%とあります。1000万円預けていたら、10年後には1864万8650円にも。かつては、貯金を取り崩しながら、老後資金に充てることも充分できたのです。

しかし、令和6年のゆうちょ銀行は、0.13%。10年預けても、13万804円しか増えません。図表1に示すように、今や1000万円あったとしても、取り崩していたら10年と半年が限界です。今後、銀行の金利は上がっても、8%の世界が近々再来することは、期待できないでしょう。

【図表1】30年前は銀行預金の取り崩しで老後資金はOKだった
出典=山口京子『お金も人生も薔薇色!老後計画』(主婦と生活社)