参院選後、新しいメンバーを加えた臨時国会が8月1日、召集された。脚光を最も浴びたのは「NHKから国民を守る党」の立花孝志党首だった。存在感を高めつつあるN国は、この後どこに向かっていくのだろうか――。
写真=時事通信フォト
初登院し、ポーズを取るNHKから国民を守る党の立花孝志代表=2019年8月1日、国会前

「わらしべ長者」のような増殖ぶり

「NHKをぶっ壊す」

1日、初登院した立花氏はマスコミの求めに応じるままに、国会内のいたる所でN国の決めぜりふを口にてフラッシュを浴びていた。

政見放送や街頭演説では、ガッツポーズとともにこのせりふを数えきれないほど繰り返した。

参院選が始まったころは、N国がどういう存在なのか知っている国民はごく少数だった。しかし今は、立花氏が元NHKの職員で、局内の不祥事を暴露し、受信料を払った人だけがNHKを視聴できる「スクランブル放送」の実現を求めていることは、国民の「常識」になっているようだ。学校などでは子どもたちがふざけて「ぶっ壊す」をまねしている。

7月29日には北方領土領土に関する暴言で日本維新の会を除名されたの丸山穂高衆院議員が入党。30日には渡辺喜美参院議員と参院で統一会派を組むことになった。参院選で1人当選者を出しただけでも世間を驚かせていたN国は10日足らずで3人の塊になった。「わらしべ長者」のような増殖ぶりだ。

立花氏は丸山氏らも含めて計12人の国会議員に声をかけているという。12人全員がN国の同志になるとは思えないが、今後も同志が増える可能性はあるだろう。

それにしてもN国は何を目指して増殖しているのか。「国会内の数合わせ」という旧来型の手法を使ってまで、議席を増やそうとしているのはなぜか。