野党再編の動きが活発化している。野党というと、今は山本太郎代表が率いる「れいわ新選組」や「NHKから国民を守る党」といった新興政党が注目されているが、ひそかに立憲民主党を中心とした旧民主党勢力が、再結集に向けて動いているのだ。最大の要因は、参院選での「れいわ」旋風だという。野党結集の裏事情を解説しよう――。
れいわ新選組の木村英子議員、山本太郎代表、舩後靖彦議員
写真=時事通信フォト
参議院本会議を終え、写真に納まるれいわ新選組の(右から)木村英子議員、山本太郎代表、舩後靖彦議員=2019年8月1日、東京・永田町の参院議員会館

なぜこのタイミングで「超然主義」を捨てたのか

「豹変」と表現しても、いいだろう。

立民の枝野幸男代表はこれまで、他党から合流や統一会派、比例区での統一名簿作成などのラブコールを繰り返し受けてきた。しかし、その都度「永田町の数合わせとみられたくない」などと拒否。結局、参院選での選挙協力は、1人区で野党を1本化するなど限定的なものにとどまった。その、かたくなな姿勢は「超然主義」などと揶揄されてきた。

その枝野氏が8月5日、国民民主党の玉木雄一郎代表、衆院会派「社会保障を立て直す国民会議」の野田佳彦代表と相次いで会談し、衆院で統一会派を組もうと提案したのだ。

提案後の記者会見では、当然のように枝野氏の豹変についての質問が続いた。枝野氏の答えは「そうしたことが必要なフェーズに入った」という歯切れの悪いものだった。

そもそも枝野氏が国民民主などに手渡した文書も、分かりにくい。文書では、安倍政権が「数の力」を背景にした横暴を繰り返していることを強調した上で、それに対抗するために「数の上でも、論戦力の上でもより強力な野党第1会派を作る」ことが必要だとしている。理屈は分かるが、安倍政権が数の力を背景にした政権を運営する状態は、もう何年も続いている。「なぜ今なのか」という疑問は残る。