対ロシア、対中国、北朝鮮問題と、外交政策にも首を突っ込むが、成果を上げるどころか、数々のスタンドプレーで、外務省とのあいだに深刻な亀裂を生んでしまった。

忖度による様々な不正が明るみに出てくる

それでも霞が関が反旗を翻さないのは、安倍政権が新設した「内閣人事局」が、1府12省庁の幹部680人の人事を握っているからだ。2017年8月、杉田官房副長官が内閣人事局長の座に就いたとき、官邸による官僚支配が確立したという。霞が関のバランスは崩れ、忖度による様々な不正が明るみに出てくる。

その象徴が、森友学園に関する財務省の決裁文書改ざんだ。主犯は元理財局長の佐川宣寿。〈安倍本人や昭恵夫人のかかわりをはじめ、十四の関連文書の中で政権に都合の悪い三〇〇カ所を削除し、書き換え〉た重大犯罪なのに、〈佐川は何の刑事罰にも問われず、退職金まで手にして財務省を去った〉。

陰に見え隠れするのが、「官邸の守護神」こと黒川弘務法務事務次官。法務省にあって、長く安倍政権を支えてきた。検察まで忖度とは思いたくないが、〈まさに、「政治判断による捜査終結」という以外に言葉が見あたらない〉。

安倍官邸に正面から向き合い、「あるものはある」と書く気骨のあるライターがいる。森功は間違いなく、今では数少ないその1人だ。

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