「調査報道」によって、不正や悪政を追及する
メディアは常に「ウォッチドッグ」、権力を監視する番犬でなければならない。〈おかしなことがあれば、すぐに「ワンワン」と吠えて、国民に危険を知らせる〉。時間とお金とエネルギーを大量に投入する「調査報道」によって、不正や悪政を追及するのだ。
しかし、〈第二次安倍政権の誕生以降、番犬たちは総じておとなしくなってしまった。なかには、エサをねだって、権力者にすり寄る犬もいるほどだ〉。
著者は2009年から15年までニューヨーク・タイムズの東京支局長を務めている。政治権力におもねり、記者クラブから官製情報をもらうだけの「アクセス・ジャーナリズム」否定の舌鋒は鋭い。
〈政権に批判的な記事を書いた結果、官邸へのアクセスの制限や取材拒否に遭えば、そのときこそメディアにとっての大チャンスのはずだ。権力の不当な振る舞いを批判できる機会を与えてもらったようなもの〉。政権のメディア戦略の実態を、徹底した調査報道で明らかにすればいい。
タイムズは15年7月に100万人台だった有料電子版の読者数を、20年6月には439万人に伸ばしている。紙からデジタルへの思い切った転換と、16年11月に誕生したトランプ政権に向かって吠え続けたことが、うなぎ登りの部数増の要因だろう。
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