現代社会では夥しい量の科学が氾濫しているが、その原理はどのようなもので科学者は一体何をしているのだろうか?
こうした素朴な疑問に対して、考え方の根本から解説する入門書が出た。著者は科学哲学の専門家で、脳神経倫理学という新しい分野も意欲的に開拓している。有害な情報から身を守るには自分の頭で考えファクトチェックを的確に行うことが重要だが、その際のポイントを列挙する。
前半の第1章(科学的思考をスケッチする)と第2章(因果関係を考える)では、科学的思考の基本となる因果関係と相関関係をわかりやすく説明する。次の第3章(科学的思考を阻むもの――心理は真理を保証しない)で適切な思考を阻む「認知バイアス」を取り上げ、これに対処するための科学実験という手法を第4章(実験という方法)で解き明かす。後半の第5章(科学的に説明するとはどういうことか)では、モデル・メカニズム・法則・世界観といった科学者が当たり前のように使う概念を分析し、第6章(科学的に推論し、評価する)で、演繹・仮説・反証主義といった思考のからくりを鮮やかに繙ひもとく。最終章の第7章(みんなで科学的に思考する)では、集団で科学的な思考を進めるシステムを紹介し、科学者がどのようなコミュニティを組織し社会へいかに成果を還元しようとしているかが語られる。
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