「目がやけに疲れる」「目の調子がおかしい」──。コロナ禍以降、そのように訴えて私の経営するクリニックに訪れる患者さんが増えた印象があります。理由はさまざまですが、巣ごもり生活でスマホを中心としたデジタルデバイスに接する時間が長くなったことは、確実にその一因でしょう。待合室でスマホで時間をつぶし、診察室に持ち込む子供までいて、スマホ依存が進んでいることを実感させられます。

スマホの見すぎで「急性内斜視」になるケースも起きています。近くでものを見ると目が内側に寄る状態になり、長時間続けると寄り目が固定化してピントが合わなくなってしまうのです。目を休めたり手術をすることで改善に向かいますが、完全に目の状態が元に戻ることはありません。手術後もものが二重に見える状態で、日常生活に困難をきたすのであれば、それはいわば「機能的失明」だと私は考えます。

急性内斜視の発症は若い層に目立ちます。違和感を感じても、「親に言うとスマホを取り上げられる」と不安になり、症状が悪化するまで申告を躊躇してしまう人もいます。

(構成=川口昌人 図版作成=大橋昭一)