がむしゃらに頑張ってきた彼女たちは報われたのか

女の生き方は多様になっている。それゆえの辛さを描いたのがこの本だ。

いつの時代にも、ものが見えるというのはしんどいことだ。例えば出世競争。この仕組みはうまくできていて、少しずつモチベーションを煽り続ける仕掛けになっている。集まれば人事の話、というのはどこの企業でも変わらぬ風景だ。そのやる気を少しずつ牽引し長引かせるテクニックによって、男性の多くは集団社会、ピラミッド社会に属し頑張り続けてきた。ただ、その構造にある日気づいてしまえば、虚しさに襲われる。

鈴木涼美『女がそんなことで喜ぶと思うなよ』(集英社)

対して、女性には多様な生き方がある。組織に属さない専業主婦にとっては、社会との関わりは身の回りの数人との関係性に色濃く規定され、であるがゆえにそこから影響を強く受けてしまう。組織に埋没すれば、男性と同じようなピラミッド社会の論理に組み込まれる。けれども、そこに結婚、出産、独立、専業主婦になるなどの選択肢がある限り、悩み続けなければならない。判断を先送りにすれば、そこにも結果やコストが伴う。

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