神、宇宙移民、時間旅行……最高の知性からの回答集

「世界で最も優れた科学者」ホーキング博士の最後の著作が出た。彼が生涯追い求めてきた究極の問い(ビッグ・クエスチョン)への回答集である。「神は存在するのか?」から始まる全10章の第7章「人間は地球で生きていくべきなのか?」に、評者の専門である地球科学に関する鋭い指摘があった。「差し迫った危機は、制御不能になった気候変動です。海洋の水温が上昇すれば氷冠が溶け、大量の二酸化炭素が放出されるでしょう」(180ページ)。

スティーヴン・ホーキング『ビッグ・クエスチョン―〈人類の難問〉に答えよう』(NHK出版)

こうした喫緊の地球温暖化問題とともに、博士は大胆な未来予測も行う。「いまこそ、太陽系以外の恒星系の探索に踏み出すべきときだ。(中略)人類は地球を離れる必要があると私は確信している」(169ページ)。

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