糖質中毒を招きかねない炭水化物。選ぶときのコツは何か。糖尿病専門医の牧田善二さんは「炭水化物を摂るのをキッパリやめることは難しいため、栄養価に優れた『茶色い炭水化物』を選ぶといい」という――。
※本稿は、牧田善二『すごく使える栄養学テクニック』(日本実業出版)の一部を再編集したものです。
DNAは糖質を欲している
お腹がすいているわけではなくても、口寂しくなると、つい甘いものに手が伸びてしまうことはありませんか?
1つ食べていたものが2つになり、3つになり……とどんどん増えていき、いつしか習慣になっていきます。こうなってしまったあなたは「糖質中毒」かもしれません。
まだ、農耕技術すらなかった頃の私たちの祖先は、木の実や山菜を採取したり、動物や魚を捕まえたりして命をつないでおり、エネルギーとなる糖質は不足しがちでした。そのため、少しでも糖質があれば、脳から「食べろ」という指令が出されるように、糖質を「もっともっと」と欲するようにプログラミングされていました。
そして、私たち現代人のDNAは、遠い祖先が誕生した時代とほとんど変わっていません。
つまり、甘いものや炊きたての白いご飯を「おいしそう」「食べたい」と思うのは当たり前の反応でもあります。
しかし、祖先の時代と違って糖質があふれている現代社会において、脳の命令にそのまま従っていたら、あっという間に糖質中毒になってしまいます。糖質を「もっともっと」と求め続け、その欲求のまま糖質を摂取してしまうようになります。

