「糖質中毒」を抜け出すには、置き換えから

糖質中毒になってしまっては、たとえ摂取カロリーを制限したとしても痩せられません。

「中毒だなんて大げさな。好きで食べているだけだ」と反論する人は、一時的にでも良いので、糖質を摂るのをやめてみてください。おそらく、やめることは想像以上に難しいでしょう。食と結びついているからこそ、タバコをやめるよりも難しいかもしれません。

糖質中毒から脱却することで、短期的に感じられる効果は体重の減少でしょう。それだけではなく、さらに重要なのは糖尿病、腎臓病、心疾患、脳疾患、がん、認知症など、ありとあらゆる病気のリスクを低減できることです。

自分の数年後を見据え、糖質から離れるように行動を変化させていきましょう。

たとえば、白米の代わりに、豆腐やカリフラワーなどを茶碗に盛って食べてみたり、パスタの代わりにシラタキを用いてみたり、ジュースの代わりにハーブティーを飲んでみたりと、脳を騙してなだめすかす工夫をしつつ、少しずつ糖質の量を減らしていきましょう。

「糖質は一切摂ってはいけない」と言っているのではありません。これまで過剰に摂りすぎていたぶんを、時間をかけてでもほかの食材に置き換えていくのです。それが長い目で見たときに、あなたの健康を守ります。

炭水化物を食べたいなら「茶色」を選ぶ

とはいえ、炭水化物を摂るのをキッパリやめることは難しいと思いますので、ここでは炭水化物を選ぶときのコツをお伝えします。

それは、「茶色い炭水化物」を選ぶこと。ここでいう「茶色い炭水化物」とは、白米よりも玄米や雑穀米、小麦粉よりも全粒粉といった、「精製されていない炭水化物」を指します。この考えからすると、健康を考えて玄米を食べるのは正解です。

私がなぜ「茶色い炭水化物」をおすすめするのか。それは、そのほうが栄養素的に優れているからです。その理由は、製造工程にさかのぼります。

田んぼから収穫された稲は、乾燥させた後に「籾すり」という作業が施されます。これによって米を包んでいた籾が取り除かれたのが玄米です。さらに、この玄米から外側のぬか層を除去する「精米」作業を経て、白米ができ上がります。

つまり、白米も玄米も元は同じ稲であり、炭水化物です。当然のことながら、どちらも血糖値を上げて太るので、量をたくさん食べないでほしいものです。

ただし、どうしても「お米を食べたい」と思うときはありますよね。そうしたときは、ぜひ玄米を選んでほしいのです。

白米は玄米の外側のぬか層を削るために、そこに含まれていたビタミン、ミネラル、食物繊維などの栄養素が減ってしまいます。精米したとしても、あまり削らずに、1分づき、3分づき……など、その度合いが低い米ほど玄米に近い栄養状態が保たれます。ビタミンやミネラルが、健康維持に必須です。