一日の食事の最適な配分は何か。糖尿病専門医の牧田善二さんは「私は朝食・昼食・夕食の割合を、3:5:2とすることをすすめている。かつ、糖質摂取量については、夕食はおかず中心でワインでも飲みながら時間をかけて楽しむのが良い」という――。

※本稿は、牧田善二『すごく使える栄養学テクニック』(日本実業出版)の一部を再編集したものです。

カフェのテーブルにスパゲッティ
写真=iStock.com/Iqbal Nuril Anwar
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私たちが食べすぎてしまう科学的な理由

食べても食べてもまた食べたくなる、「過度な食欲」に振り回されることはありますか。

私たちは、空腹と満腹を繰り返し感じながら生きています。じつは、空腹感と満腹感は、心身の健康度合いを把握する重要な指針なのです。

食欲を調整しているのは、脳の視床下部にある摂食中枢と満腹中枢です。ここが正しく働いていれば、食べるべきタイミングで「お腹が減ったな」と感じ、適量を食べれば「お腹がいっぱいだ」と感じ取れます。

しかし、普段からドカ食いがクセになっていれば、そもそも食事摂取量の基準が上がってしまい、適正量では満足感が得られません。

それに加え、一気に食べることで血糖値スパイクを起こします。急激に血糖値が上がり、その反動で急激に低血糖に陥ることで、さらに「糖質がほしい」欲求に駆られます。また、ストレスによって食欲が増すケースも多く見られます。

ストレスがかかると、それと戦うためにコルチゾールというホルモンが分泌されます。コルチゾールは血糖値を上昇させることで、一時的にストレス耐性を高めるのです。

つまり、ストレスがかかると、血糖値を上昇させる「材料」を体が必要とするために、過度な食欲が生じるわけです。